鉤括弧の使い方(「」)

鉤括弧の使い方

 鉤括弧(「」)は会話文語句の強調引用に用います。
 会話で使う場合は基本的に行を改めますが、会話文の前後を一行分あけたり、段落のように最初の一字分を下げる必要はありません。地の文の流れの中で会話を表すときは、改行しなくても大丈夫です。

 引用は、単語や短い文なら鉤括弧を使いますが、引用が長くなる場合は鉤括弧を使わずに改行し、引用文全体を二字分下げて書きます

句点はいかにして処理すべきか

 小説において会話文の最後に打つ句点を省略するか(「○○○」)、それとも鉤括弧の中に句点を収めるか(「○○○。」)という問題があります。結論からいえば、文章作法としてはどちらも間違いではありません。

 ただ、これから小説を書きはじめようとしている方には、会話文の最後につける句点は省略することをおすすめします。現代小説のほとんどはこの句点を省略していて、句点を鉤括弧の中に収めている例としては、宮沢賢治や昔の翻訳物の小説の一部、最近では綿矢りささんくらいで、割合としてはかなり少ないです。

鉤括弧のあとの句点はどうするか

 改行して会話文でその段落が終わる場合は、鉤括弧の後ろに句点を打つ必要はありません。
 地の文の流れの中で会話文が出てきてその段落が終わる場合は、地の文も含めてひとまとまりの文章と捉え、鉤括弧のあとに句点を打つこともありますし、省略することもあります。どちらも間違いではないのですが、両者を混在させず、文章全体で表記をどちらかに統一するようにしましょう。

原稿用紙での鉤括弧の使い方

 (「)と(」)、どちらの記号も一字分使います。
 鉤括弧の中の文の終わりの句点を省略しない場合は、(」)と句点を同じマスに入れます。
 鉤括弧のはじまりが原稿用紙の行の最後に来る場合は、一マスあけて次の行の一番上からはじまるようにします。